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夏休みに入ると私達は図書館で勉強する事が増えていた。
今までそれほど利用してなかったけれど家に居るよりも捗った。
ただ学生服で行くのには抵抗感があったし同じ学校の生徒に会うのも嫌だった。
ところが思いもよらない事が起った。
私達は初めてナンパされる経験をしたのだ。
いや、私達と言うより...
アイナがと言ったほうが正しい。
相手は公立高校に通う田中と岡野と名乗った。
異性に対する情報は山のように仕入れていたけど恋愛とか付き合うとかイメージでしかなく現実味のない自分達には程遠い世界だと思っていた。
それに受験を控えた私の辞書には恋の文字なんてなかった。
でも...アイナは岡野と会う約束をした。
と言ってもデートとかじゃなくて図書館で会う約束だった。
アイナはそれほど深く考えてなくて一緒に勉強すると言う程度だった。
岡野は特徴のない整った顔で万人受けする感じの子だった。
私は顔で言えばパーツの一つだけ特徴がある、例えば目が大きいとか眉毛が太いとかそう言う人に憧れていたので彼には興味が湧かなかったし会話の最後に必ず「...つもり」を言うのがとても嫌だった。
だから岡野の顔も話も気に入らなかった。
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