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夏休みの間 かなりの時間を図書館で過ごした。 岡野は飽きもせず特に何をする訳でもなくアイナに会いに来た。 田中はあまり喋らず何となく陰気な感じだったがその内に来なくなった。 ある日アイナが朝顔の花を見に来る事になり岡野も一緒に行きたいと言ったが私の家を知られたくなくて断った。 その年の朝顔はあまり世話が出来ず支柱も適当にして摘心も出来なかった為かツル同士が長く絡み合って枝の広がりが狭かった。 「絡み合って成長して行くツルも可愛いね。 まるで僕達みたいだ。 それに青い花は少ないし... やっぱり儚くて短い恋は嫌だな。」 アイナは白く細い指で絡み合った藍色の花を撫でた。 「そうだね。 いつかリアルで永く続く恋をしたいな。」 私は真っ白な花びらを掌に乗せ囁いた。 「僕達の関係ってコウコはどう思う? 幼馴染の友人ってとこ?」 「うん、そうだね他に思いつかないけど...」 「そうか。やっぱそうだよね。 でも僕は最近感じるんだ。 ずっと一緒に育って来たようなものだし...」 「分かった!姉妹だね。」 「うん、そうとも言えるけど... 僕はコウコの事 好きなのかもしれない。」 「私だって好きだよ。」 「んん、コウコが思う好きって事じゃなくて何だろう... 上手く言えないけど... 僕はコウコに恋してるのかもしれない。」 アイナは花に顔を近づけ囁くように言った。 今年は白系が多く青系は少なかった。 私達の庭は喜びと絆の白い朝顔が咲き誇っていた。
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