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終話
「アイナ!どうしたの?!
今どこ?!
アイナ!アイナ!」
精一杯の声を張り上げていた。
私は訳が分からずスマホを握り締めたまま玄関を飛び出すと濡れた地面で滑って転び後頭部を打ち付けた。
一瞬 意識が飛び身体が浮いてるみたいで心地良かった。
その内 顔に降り注ぐ雨粒の痛みが現実に引き戻した。
立ち上がろうとすると鮮やかな色を取り戻した朝顔の咲く庭にずぶ濡れのアイナが立ち竦んでいた。
「アイナ...?」
私は呼び掛けた。
「コウコそんなに急いでどうしたんだ?
大丈夫かい?
そそっかしいのは変わらないな。
今年も綺麗で大きな花を咲かせてくれたね。
でも白い花は少ないかな...
ごめん...コウコ。
僕は...
我慢出来なくて会いに来ちゃったよ。」
アイナはいつもの笑顔で微笑んだ。
ジーパンに黄色いT-シャツを着たアイナの上半身はブラが透けてずぶ濡れの肌に貼り付いていた。
「アイナこそ...
大丈夫?
痛くないの?」
私は彼女の身体を見廻しながら近づいて行った。
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