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「でも、こっちは段々小降りになってきたから直にそっちも止むんじゃないか?」
そう言われ、恐る恐るカーテンの隙間から少しだけ外を覗くと、確かに雨は先程よりも弱まっていた。
「うん、そうみたい。雷も落ち着いてきてるし大分マシになったと思う」
「おお、それじゃあよかった」
「電話、ありがとうね」
「どういたしまして」
ああ、このままでは電話が切れてしまう。何か、何か言わなくては。焦れば焦るほど、甘美で満たされた頭からは何も言葉が出てこない。
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