第12話「あの後、みんなはどうなったの?」

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「戻りました〜」 「宮田さん、遠藤。お疲れ様です」 茜と二人で事務所に戻った所で島岡くんが出迎える。 「二人ともおつかれ〜。有紀ちゃんから聞いたよ。茜ちゃん、大発見だってねー!」 朱莉は嬉しそうに茜に声をかける。 「えへへ…、ありがと」 ちょうどその時、終業のチャイムが鳴り響いた。 「…課長、トイレ長いですね」 島岡くんが切り出した。 「そういえば上原課長、さっき『昨日鬼激辛やきそば食べた』って言ってたよ」 と朱莉が言う。 島岡くんは露骨に嫌そうな顔をした。 「……しばらく出てきそうにないですね」 「課長はほっといて、帰っちゃおうか」 「……そうしましょう。皆さん、お疲れ様でした」 「だって、朱莉さん。あたしらも帰ろうよ」 「……まあいっか」 その後、課長から『皆おつかれ〜』とメッセージが来たのは、私が帰宅してからしばらく経ってからだった。 「ただいま〜」 私はソファに鞄を放り投げると、それと同時に真希が部屋から出てきた。 「おかえり、有紀」 「ただいま」 真希はメガネを外しがら、ソファに腰掛けた。 「ズーム機能、使ってみた?」 「……忘れてた」 私の眼にズーム機能がある事をすっかり忘れ、望遠鏡を覗き込んでいた事を思い出す。 茜が貸してくれた望遠鏡をウッキウキで覗いてたのが少し恥ずかしい。 「まあ、また思い出した時にでも使ってみて」 「うん、ありがとう」 私は頭をポリポリとかいた。 「そういえば、今朝言ってた小林って子」 真希は思い出したかのように突然話題を変えた。 「うん。高校生の子だよね」 「そ。あの子の事で、明日病院に来て欲しいって。茜と一緒にね」 「茜ちゃんも?なんだろ」 全く心当たりがないのが逆に怖い。 「既に課長には連絡した。有紀は茜ちゃんと一緒に病院に直行しろってさ」 私は少しばかりの不安を抱えながら、次の日を迎える事となった。
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