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再び沈黙が彼らを襲う。
それを破ったのは、目を真っ赤にしたセイだった。
「僕、訓練に行ってくる。……任務がもらえなかったことは悲しいけど、次は選ばれるように頑張る!」
気丈に振舞うセイを見て、年長者のバーンもフッと力なく笑う。
「そうだな……。ここで嘆いていても実力不足が解消されるわけじゃなし。もっと力をつけなきゃな」
セイも力強く頷く。
「リノアもマリーも気を付けて行けよ。イアングは力も強いし、思った以上に素早い」
分かってる、と2人で頷いた。
「それじゃあ早速訓練に行ってくる。俺たちは今日の訓練を免除されたわけじゃないしな」
本当はそんなに簡単に吹っ切れていないのだろうが、その気持ちを押し込めてバーンはセイを促した。
「うん、行ってくる」
そうしてベースを出ていく2人を見送って、リノアも気持ちを切り替えてイアング対策を頭に繰り広げた。
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