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「リノアは何か必要なものの買い出しに行くのかしら」
言われて考えるが、特に必要そうなものはない。
捜索中は手軽に食べられるもの、特に匂いが経つものなどは食べられないので、簡単なおにぎりやパン、携帯食が主になるだろう。
それらならセットにまだたくさん入っている。
「買い出しはしなくて良さそうなので、武具の調整に行くことにします」
「そう、私は買い出しに行くからここで解散ね。また明日会いましょう」
そう言って2人も別れる。
『アイツのところに行くのか』
嫌そうな声が頭に響いたのは、騎士団本部を出てすぐのこと。
『最近訓練でずっと使ってたし。自分なりに手入れはしていたけど、万全の状態にしておきたいから』
そう、リノアが向かっているのはヤトケルの元だ。
相変わらずレントはヤトケルの所へ行くのを嫌がるので、やれやれとため息を吐いた。
道中はずっと姿を消していたが、ヤトケルの店に着くと途端に姿を現すレント。
どうせ呼ばれるだろ、と不貞腐れている様子を見て忍び笑った。
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