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手入れに時間はかからない。
先日と同じように剣を手に取っているだけに見えるが、ヤトケルは満足そうに笑みを湛えていた。
曰く「以前よりも剣が成長している」とのこと。ただし、防具の時と同じく「頼りない主だけど、努力しているようだから力を貸してやるか」という体らしいが。
使いにくい所などがないか聞かれて、微調整を加えた後に店を出る。
訓練時間を割いて明日の準備に当てている以上、寄り道などはせずに帰るべきだ。
生真面目なリノアはそのまま寮へと帰り、フリージアで水晶化した食べ物のチェックをしておいた。
今回の任務はイアング討伐なので、そう長期にはなるまい。
ただし、早朝から暗くなるまでの時間ずっと捜索に当たる可能性も考えて、片手で食べられるものを追加することにした。
コッペパンに炒めた肉などを挟んだサンドを作り、中にはさんだ肉は今日の夕食にもあてる。
今日はレントに訓練をつけてもらっていないので、約束の果物を出す必要はないのだけど、なんとなくここ数週間ずっと一緒に食事をしていたので、レント用にピピンの実をテーブルに置いた。
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