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驚いて目を見開いた。
「あ?なんだ、その表情」
「だって……レントが、私をフォローするなんて。明日は槍でも降るんじゃないの?!」
「お前なっ!!」
ごめんごめん、と笑いながら、内心で戸惑っていた。
確かに最近のレントは出会った頃に比べれば優しくなったし、振る舞いもつっけんどんではなくなった。
だが、ひねくれもののレントは素直にリノアを慰めたりフォローしたりすることはなかった。
例外はルースコンテから傷を受けた時だけ。
あの時は、リノアの精神が不安定で、少しでも心の傷が広がればリノア自身が壊れてしまう危険性があった。
だから、レントもまた言動に気を付けてくれていたのだと思う。
まぁそれ自体が、レントがリノアを気にかけてくれていた証拠なのだけれど。
それでも、やはり天邪鬼なレントはあの頃のことを自ら口に出すことはない。単に照れくさいから。
そんなレントが今、素直にリノアをフォローした。
何かが引っかかって不安になる。
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