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翌朝。
歩き回ることを想定して、朝食はしっかり食べておく。
昨日のうちにセットの中は確認しているので、あとは集合場所へ向かうだけだ。
先日と同じように、防具をつけ、剣帯に剣をさして部屋を出る。
集合時間が6時と早いだけに、まだ外は静まり返っていた。
ドランベルグへは、いつもの通りテゴーションで連れていかれると聞いている。
しかし、一体どれだけの人数で任務にあたるのか。
その辺りのことを何も聞いていなかったことに気付いたが、着けばわかることだととにかく広間へと足を進めた。
騎士団本部の広間には、リノアが思っていてよりずっと少ない人数の護衛団がいた。
時間は10分前であることを考えると、これから大幅に人数が増えることはないだろう。
すると、ふわりといい香りが鼻についた。
振り返るとそこには、予想通りマリーナがいる。
「おはよう、リノア。よく眠れたかしら」
「おはようございます、マリーナさん。特にいつもと変わらずです」
マリーナとは当初を思えば随分と親しくなったものだと思う。だが、相変わらず彼女を愛称で呼ぶことはできなかった。
別にわだかまりがあるわけではない。
だが、なぜかマリーと呼ぶ気にも、敬語を改める気にもなれなかった。後者についてはバーンに対してもであるが。
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