討伐隊結成

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特にそれ以上の会話をすることもなく待っていると、程なくして騎士団が3人前方に現れる。 「……あれ?デッセンさんがいる」 3人の内はデッセンだった。 彼はつい先日長期遠征から帰って来たばかりなのに、今回の討伐にも参集されたのか。 有能であるが故であろうが、なかなかしんどいだろうなと同情してしまった。 「おはよう。今回イアング討伐隊の隊長となる、デッセン・ディーバレンだ。今ここにいる者が、討伐隊のメンバーとなる。今から班分けをするから、呼ばれたものから来るように」 まさかの隊長とは! もしかするとリノアが知らないだけで、デッセンは騎士団の中でもそれなりの格を持った団員なのかもしれないと今更気付いた。 だとすれば、本来一介の護衛団員が教えを乞えるような相手ではないし、何よりとんでもなく忙しいはず。 それは嫉妬の対象にもなるわ、と乾いた笑いが出そうになった。 「リノア?」 訝し気なマリーナに、何でもないと首を振る。
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