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そうしてデッセンが一人の騎士団に目をやると、側にいた護衛団員に何事か声をかける。その後、足元が光ったと思ったら彼らの姿は消えていた。どうやらあの人がテゴーションのようだ。
ぼうっと見ているとデッセンに話しかけられた。
「リノア、今回の任務にあたって、俺はお前に課題を与える」
課題?と首を傾げる。
「今回、お前はチカラを使用することを原則禁じる。もちろん、命の危険がある場合など、状況に応じて使うことは認めるが、基本的に武具で対応するように」
デッセンの目を見ると、厳しい目つきでこちらを見ている。恐らく、今後の指導にもつながる、一つの試験のようなものなのだろう。
「わかりました」
大きく頷いたリノアを見て、デッセンもまた一つ頷く。
気付けば残っていたのはリノアたちの班だけのようで、先ほど見ていたテゴーションの騎士団員が「それでは今から送る」と声をかけたと思った瞬間に、目の前が明るく光り、独特の浮遊感を感じた。
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