討伐隊結成

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目を開くと鬱蒼とした森が眼前に広がっている。 言われた通り、リノアたち護衛団は森の入口付近を担当するため、境界である草原に飛ばされたのだろう。 早速気配を読んでみるが、今のところ大きな魔獣がいそうな気配は感じなかった。 ふと視線を感じて横を見ると、一人の男がこちらを見ていた。 任務に支障が出ない程度には関わるしかないが、逆に言えばそれ以上に付き合うつもりもないリノアは、無表情に見返す。 「お前が噂のフェリゴンだろ」 「だったら何なの?」 敵意こそ感じないが、噂の、とつけられたことが気に食わない。つい臨戦態勢になる。 だが、そんなことは気にもしていないように男は続けた。 「やっぱりそうか!俺はファイ・メシスト。お前の実力、この任務で見させてもらうぜ」 自信ありげな表情と、挑発的な態度。噂のフェリゴンがどこまで強いのか見定めてやる、というつもりか。 下らない張り合いに付き合うつもりはない。リノアはフイと背を向けた。 このファイとか言う男ともう2人、ここには護衛団がいる。 だがこの2人は「フェリゴンがいるなら安心だ」「とりあえず無事ではいられそうね」などと、およそ護衛団とは思えない発言をしている。
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