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だがそんな言葉は聞こえていないかのようにファイは続けた。
「お前たちも名前位言えよ。任務は長丁場になるかもしれないんだからさ」
屈託なく話しかける様子は、毒もない。話しかけられた2人も面食らっている。
「あ、あぁ。ゲゼル・ハウントだ」
「ジェシカ・ローレントです……」
「おう。よろしくな!」
リノアには名乗れと言わない。だが、噂になっているくらいだから、名前も知れ渡っているのだろう。
リノアに対して対抗心は感じるものの、いつも訓練等で感じるような悪意はファイから感じられず、リノアは内心戸惑っていた。
変な人……
レントは面白そうにその様子を見ていた。
リノアに対して嫉妬していないわけではない様子が見られるが、ファイ自身、少し変わったチカラの使い方をするようだというのが分かる。
これはリノアにとって良い経験になるかもな
リノアにすら姿を見せずに、このまま様子を見続けることにするのだった。
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