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ゲゼルとジェシカは、背負っていたリュックから携帯食を取り出しているが、そういえばファイは荷物を持っていない。
なんとなく気になって見ていると、彼はセットを開いていた。
リノアが見ていたことに気付いたのだろう、ファイはニヤリと笑った。
「俺もセットは使えるんだぜ。こういう時、荷物を持たなくていいってのは有利に働くからな」
セットから携帯食と水筒を取り出して上機嫌だ。
特にファイに何か返すこともなく、リノアもセットから作り置きのサンドイッチを取り出した。
そのとたん。
「あ、リノアはフリージアも出来るのか。くっそー……俺、まだそれはできないんだよな。携帯食って栄養はあるけど味気ないんだよな。フリージアできればうまい飯が食えるもんな」
急に悔しがり始めるファイ。本当に感情が忙しいヒトである。
「まぁ、セットも使えない俺からしたら、ファイも羨ましいけどな」
ゲゼルが慰めるかのように言う。
「訓練あるのみだ!人種に限られない能力は誰でも使えるんだから、2人も練習すればいいさ」
元気になって携帯食を齧るファイ。
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