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その様子をチラ見しながらリノアはサンドイッチをパクリと食べる。そして考えた。
ファイは恐らくシームトなのだろう。だからこそ、貴重人種であるリノアに負けないと対抗している。だが、だからといってリノアができることを、フェリゴンだからと決めつけてもいない。セットやフリージアなど、自分でもできることは絶対に身に着けてやるという気概を感じる。
ただ、何となく感じる違和感。これは恐らく……。
ふうん、と興味なさげに漏らしながらリノアは食べ続けるのだった。
食事後、先ほどよりも少しだけ森の中に足を踏み入れた。
入りすぎてはいけないが、あまりに森の出入り口付近をチョロチョロしていても、標的は見当たらないだろうという予想からだった。
リノアは先ほどよりも警戒心のレベルを上げた。
なにせ、そこら中から魔獣の気配が漂っているのだ。
全てが獰猛な性格というわけではないだろう。魔獣にも臆病なものもいるし、フルーダのように基本的に争いを好まないものもいる。
だが、いつ襲い掛かられても大丈夫なように準備はしておくべきだ。
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