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なぜならフルーヘルが好戦的、フルーダが知的であるように彼らにも特性があり、フルーヘルは非常に凶悪なのだ。群れで行動し、嬲るように攻める。そして徐々に弱らせてからトドメを刺す。
力自体は強くはないが、数が多く、何より動きが速い。ある程度の距離を取らなければ攻撃できないゲゼルは対応が難しいだろう。
「一人あたり５匹計算だな」
余裕の表情でファイが言う。
ゲゼルもジェシカも強張った表情だが、コクリと頷いた。
そして……一斉にフルーストがこちらへととびかかる。
リノアはそれを紙一重で避けた。
こういった場合、背を庇い合いながら戦うことが得策だとされている。
だが、何せリノアたちは即席で作られた班でお互いの戦い方も知らない。
さらに言えば共闘が苦手なリノアは同じ班のバーンとでさえ力を合わせるのが難しかった。今日初めて会ったメンバーと協力するなどできるはずもない。
襲い掛かるフルーストを剣ではじき返す。１匹を捌いても次から次に襲ってくる。
こちらが切りかかっても素早い動きで逃げられ、それを追おうものなら別のフルーストが牙をむく。
なかなか致命傷を与えられずに自分で自分にイライラした。
他の３人を見る余裕もないが、荒い息遣いと時折漏れ聞こえる舌打ちから、誰も皆同じような状況であることがうかがえる。
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