01.ファースト・ナイト

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―――では、新郎新婦の御入場です。皆様、拍手にてお出迎え下さい 進行役の司会者の声に、一斉に祝福の声と拍手が沸き立つ。 主役の二人は腕を組み、幸せそうな笑顔を浮かべながら、ゆっくりと一歩ずつ踏み出す。 私はそんな二人を、どんな顔で見つめていたのだろう。 多分、祝福ムードではない私の表情は、他の招待客の中では浮いていたに違いない。 「……高梨さんのお腹、あんまり目立たないよね」 「……そうね」 「それにしても、臨月近いっていうのに、この時期に披露宴するってどうなわけ?」 「自分は幸せだって、周りに見せびらかしたいだけでしょ」 隣に座る、友人の亜沙美の言葉に、私は可愛げのない言葉と共に、適当に相槌を打つ。 すると今度は周囲を気にしながら、私の耳元に顔を近づけ、彼女がそっと囁く。 「凛子、眉間に皺が寄ってる」 「……皺くらい寄らせなきゃ、やってられないよ」 「そりゃそうだ」 .
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