01.ファースト・ナイト

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. 結婚式の披露宴、招待客はざっと100人を超えるだろう。 その多数が会社関係者なのは、二人が職場結婚だからだろう。 その中でも、新婦と同じ部署に所属する亜沙美が招待されるのは分かるが、全く関係のない私にまで招待状が届いたのかが疑問でしかない。 それに何を隠そう、前の席でカメラを向けられ、新婦の肩を抱きながら馬鹿ヅラを浮かべている新郎は―――私の元カレだ。 彼の熱い視線は、綺麗に着飾っている新婦へと向けられている。 その姿を見て、もう傷ついたりはしないけど……。 「……順当にいっていたら、あそこにいたのは凛子だったかもしれないのにね」 周りには聞こえないように、亜沙美がこっそりと耳打ちしてくる。 私と彼が付き合っていたことも、彼が後輩である高梨さんと浮気して修羅場で別れたことも、社内では割と有名な話。 だからなのか、心なしか今日は周囲から同情の視線すら感じる。 「……やめてよ。あんな男へ未練なんかないよ」 .
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