10.命運

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〜捜査本部〜 20:05 三上、富士本、昴、咲の四人がいた。 鑑識の結果、 笹原自宅の血痕は、千佳のもの。 笹原の旧宅の血痕は、夕海のものであった。 拳銃からは、倉田の指紋しか出なかった。 また、拘置所で死んだ富田は、倉田の監視員を引き受けていたことが分かった。 そして… 拘置所の監視カメラには、倉田に向けて銃を構える千佳、倉田をかばって撃たれる富田。 監視員に撃たれる千佳。 床に落ちた拳銃を拾って出ていく倉田の姿が映っていたのである。 「七海は…いったい何者だったのでしょう?」 昴が夢でも見ていたかの様に呟く。 「これも…七海の作り上げたシナリオ…」 あの微笑みと、囁き声が忘れられない咲。 「これで…全て終わったのか?」 三上が疲れた声で呟く。 「たぶんな…」 人智を超えた結末に、不思議と違和感は無い。 『運命』とは、 人の意志をこえて、人間に幸福や不幸を与える力。あるいは、そうした力による巡り合わせ。 「私達って、本当に自分の運命を生きているのかな…」 その運命の繋がりを感じ取れる人がいる。 でもその人達にも自分の運命は見えていない。 運命を操られたとしても、当人にはそれが運命であっただけのこと。 「さぁな。分かるはずはねぇ。俺たちは、その運命を生きるだけのことだ」 『運命』が、自分の意思とは関係なく辿るよう決められた巡り合わせだとすれば、その結果として『命運』と言う言葉がある。 「私達は、運命がどうであれ、訪れた命運を受け入れて生きていくしかない!ただ…七海のおかげで、運命は変えられるってことは分かったわ❗️」 「そうだな」 「なるほど」 「たしかに」 「ねぇ!飲みに行かない?」 「悪くねぇな」 「仕方ない」 「行きましょう!店押さえますね」 「昴ぅ〜あんた欲しいわ〜マジで❣️」 「えっ💦そ、そんな急に言われても💦」 「昴、悪いこたぁ言わネェ…やめとけ」 「勘違いするな、こいつは刑事じゃないんだ」 「なにごちゃごちゃ言ってんの!いくわよ❗️」 咲の酒癖の悪さを、三人は知らなかった。
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