第1章 頭の上の暗号

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傍から見ると、意味不明な台詞だが、日和にはその意味がはっきりと分かった。瀬里香の頭の上辺りに、84Aという暗号が表示された。 「84Aって表示されてるよ」 「84かー。ということは一昨日より2アップ。何の数字か分からないけど、上がってると嬉しいな」 瀬里香はそういうと日和から手を離した。手を離すと同時に、頭の上に表示されていた暗号が消えた。 日和はいつ頃からかは分からないが、人に触れると頭の上に数字とアルファベット1文字が表示されるようになっていた。分かっていることは、人の肌や髪に触れている間だけ暗号が出る。暗号は自分にしか見えない。数字の範囲は0〜100の間。同じ人でも触れる時によって数字が変わるが、アルファベットはいつ誰に触れてもAとしか表示されないということくらいだった。
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