祝福された命

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祝福された命

 その姉妹の誕生は、盛大に祝われた。これ以上喜ばしいことなど無いかのように祝われた。  姉妹の両親は、「魔女の教会」と呼ばれた宗教団体の一員だった。かつては大きな勢力を持っていたこの教会も、数々の問題を起こして没落したものだが、それでも一定数の信者がいた。その信者は概ね、苦しみを忘れなければ開放されないような、悲劇に見舞われた者達なのだが、中には教祖の力にあやかろうとする者もいた。  彼女らの両親もまた、そうだった。そんな両親を教祖は、特別気に入っていた。欲のある者が好きだったのだ。  姉妹の父親は、出産に立ち会ってすぐに、教祖、すなわち魔女の元に面会をしに行った。 「どうだったの?」 「はい。双子の姉妹が生まれました。とても元気な産声を上げています」 「それは良かった。会いにいっていいかな」 「当然ですとも。妻も喜ぶでしょう」  二人で、双子の顔を見に向かう。向かった時には既に宴の準備が始まろうとしていた。 「流石わが教会……仕事の早いことですね」 「特別アナタが特別なんだよ。けれど、この姉妹はもっと特別かも。だって、この子達……すごく、才能があるから。物心がついたら、弟子にしてほしいくらい」 「魔女様のお望みとあらば、その願い、喜んで受け入れましょう」  その約束通り、双子は6歳になってから、魔女の弟子として育てられた。魔女すらも驚くほどの速さで成長していき、歳が二桁にもなると魔女以外にはほぼ負けないほどに強く、誰に似たのかとても美しく成長した。
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