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「じゃ、デートしましょう」
というわけで週末、自宅で課長を待っている私。
私にしては精一杯のおめかし?をし、1日のデートプランを頭の中で確認する。
課長は__好きだと言ってくれた。
看病してくれた日に、私が微睡(まどろ)みの中、聞こえた言葉は本当だったんだ。
その明け透けな自己紹介は完全に消化はできないが、隠れて女遊びする人よりはいいのか?私が夢中にさせればいいこと。どうやって?それはまず今日のデートを楽しんでもらって__。
クラクションが数回、短く鳴った。
慌ててアパートから出ると、課長の車が止まっている。
初デートだというのに、車を降りることはない。もちろん、助手席を開けてくれるわけもなく。
「おはようございます」
「ああ」
機嫌悪っ‼︎
低血圧なのかしら?でも、Tシャツ一枚が様になるってズルい気もするけど。
チラっと私(おめかし中)を見た課長は言った。
「初デートなのに地味だな」
これでもガンバったほうですけど‼︎
いやまだデートは始まったばかり。気を取り直していこう。
「朝ごはん食べたってことなんで、ちょっとドライブしましょうか」
「運転するの俺だがな」
「安全運転でお願いしますー」
怒るな怒るな、怒るな私。
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