この恋、預けます!

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いや、マジでワケわかんないんですけど‼︎ 混乱しながらも、午前の業務をこなす。 プレサロは基本、予約が前もって入る。 顧客の資料から好みまでを事前にチェックし、さらなる投資信託や保険を勧める。 手が空けばDMを作成したりと、暇がない。 ちょうどプレサロの横に課長のデスクがあり、さも始めから居ました風で、北島章吾が威張りしたりていた。 一体、何様だって話よ。 セクハラで訴えてやる‼︎ 「先輩、朝、課長となに話してたんですかぁ?」 麻里奈と2Fの食堂で向かい合う。 「別に」思い出したくもない。 「なんか耳元で囁かれてたように見えたけどなぁ」 「気のせいよ」 素っ気なく答え、ラーメンを豪快に啜っていると__。 「もう少し女らしく食べられないのか?」 顔を上げるとそこに__。 「矢上先輩‼︎」 すかさず麻里奈がシナをつくる。 だからその臨機応変を仕事に活かせっていうの。そして私はというと。 「ラーメンは音を立てるから美味しいの」 「それは蕎麦の間違いだろ?しかもオッさんの言いそうなこと。相変わらず女子力低いな。麻里奈ちゃん見習えよ」 「うるさい。向こう行って。スープがまずくなる」 手で追い払ったが、麻里奈の隣、即ち私の斜め向かいにどかっと腰を下ろした。 矢上伸治(ヤガミシンジ)、私の二個上の同期だ。
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