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可愛らしくブーケを持った課長が、私のもとへやってくる。
真っ直ぐ私の目を見つめて。
__え?うそ⁉︎なに?
思わぬことに身構えていると、課長はブーケをポンと軽く放った。
「お前にやるよ」
そう言うと、行ってしまった__。
その背中を唖然と見送る私と、上機嫌の麻里奈。
手にしたブーケを周りに見せびらかし、課長に貰ったんだと自慢する。
でも、私は気づいていた。
課長もあの日、給湯室で麻里奈と支店長の密会を目撃した。
当事者同士の問題で関わる必要がないという、ドライな課長だったが、課長なりに麻里奈にメッセージを送ったんじゃないか?
そのことに、この子が気づけばいいけど__。
「真帆、ちょっといいか?」
「いいけど、いい加減、服を着なさいよ。風邪引くわよ」
未だに上半身裸の同期__矢上伸治に言った。
「いい結婚式だったな」
「そうだね。詩織先輩も嬉しそうだった」
「俺も__あんな結婚式がしたいな」
「うん」
うん?
相槌を打ったが、そこは間違ったんじゃないか?
伸治を見ると、目が真剣モードだった。
「こないだの返事、聞かせてくれ」
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