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僕がまだ幼稚園に行ってた頃、僕の家族は東京の下町に住んでいた。
そして時々、車で半時間ほどの所に在った、パパの実家に遊びに行っていた。
ある夏の日の午後五時半ごろ‥‥
つまり‥‥
――逢魔時‥‥おうまがどき――
だった‥‥。
それとなく僕は、何かに呼ばれたように、二階の奥の薄暗い部屋を開けた。
そこには、見たことのない浴衣姿の男の子がいた。
僕より少し背が低く、無口な少年で、今まで声を聞いたことはなかった。
最初、僕は変な子だな‥‥と思った‥‥。
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