記憶が無くなる熊さん

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ー10分後ー 「おい!」 「はい」 「何でワシを何回も踏みつけたんや?」 「怖かったのと、間違いであって欲しかったからです……。」 俺は自分より何百倍も小さい人形に向かって、正座で謝罪をさせられていた 確かに、何度も踏みつけたのは悪かったけど 謝る必要はないだろ? じゃあこっちも聞いてやるよ 「何でお前は喋れるんだって」…な! よし、聞くぞ やってやるぞ!! 「な…」 「?」 「すいません、何でもないです」 駄目だぁぁぁ!めっちゃ怖い ただの熊の人形なのに…… お父さんより威圧感がやばいよ 「自分さぁ~何でそんな反抗的やねん」 「え?」 「奥さんからワシをプレゼントされた時も素直に喜ばへんかったやろ?」 「だ、だって……俺…男だし」 「!!」 「ひっ…」 また大声で怒鳴られた 凄く腹が立つ それにいちいちビビっている自分にも…… 「ええか?…ならな親を悲しませる事だけはやったらあかん! 女や親を泣かせるのは最低な男や!」 言っていることは凄くまともだ 確かにせっかく母ちゃんが用意してくれたプレゼントにケチを付けたのは俺が悪かったな やっぱりこの熊…悪いやつじゃないのかも? 「女を泣かせてええのはだけやで……よし、決まった!」 前言撤回! 俺は今滅茶苦茶どや顔しているこの熊をしばきまわしたい しかもなんだよ……最後の「」って! お前が熊の人形な時点で何も決まってないんだよ カッコつけんな!熊の癖に…… よし!今度こそ言ってやる! 「カッ…」 「?」 「すいません…何でもないです」
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