記憶が無くなる熊さん

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「ええか?やることは簡単や」 「はい、クッマ師匠!」 「ええ返事や、その輝いた目付きも数分前の自分とは比べ物にならへん」 「有難うございます!……早速教えください!」 「ふん!ええやろ……よぉよぉ聞いときや」 ちょっと反抗してみたが意外にバレなかった 案外コイツはバカなのかも? クッマは嬉しそうに鼻を高くして、話し始めた 「明日ワシを幼稚園に連れていけ!」 「え…?」 「そうや」 「で、でも…馬鹿にされちゃ…」 「?」 「是非持っていかせて頂きます、クッマ師匠!!」 「それでよろしい」 この日から俺とクッマとの生活が始まったんだ ー次の日ー 俺は真っ先に母ちゃんの元へ向かった 何でかって?……まぁ悪い事はちゃんと謝らないとな 「母ちゃん」 「なんだい?」 母ちゃんは朝食を作る手を止めずに、返事を返してきた 「昨日は……その…プレゼントにケチ付けて悪かった 、よくよく見たら、結構いけてたよ」 「そう?昨日は喋ってるって騒いでいたのに?」 「あ、あれはやっぱり悪い夢だったよ」 「ウフフ……もうちょっとで、ご飯出来るから待っててね!」 「う、うん」 母ちゃんの作った朝飯は…… とても温かくて、 とても暖かくて、 とても美味しかった しっかりと味わって、残さず完食し、俺は幼稚園へと向かった
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