記憶が無くなる熊さん

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「じゃあ……どうする?」 「いや……どうするも何も…荷物を部屋に置いてくるよ」 「あ!ごめぇん…… 最近アンタの部屋、物置にしちゃった……。」 「マジで!?……うぅん、まぁ良いよ 荷物をこじ開けてでも寝るから…」 「そう?…ごめんね」 謝罪をしてくる割には顔が笑っているのは気のせいだろうか? 普通、息子が帰ってきたら片付けない? 可哀想だよ、が! 「荷物の中に色々と昔の物も入っていると思うから見てみたら? 昔大事にしてたも……」 「・・・・・」 「あ!じゃなくてだったわね…ウフフ!」 「ハイハイ! 僕は子供の時はおかしな奴でしたよっと……」 「冗談よぉ~」 皮肉を溢しながら、小柄のキャリーケースを持って階段を上る 木が痛んでいるせいか、足を置く度に 「ギィーギィー」音が鳴って五月蝿い 毎日見ていたはずのこの場所も何年かして、 また改めて見ると何故か新鮮に感じる 古木の匂いを全身で感じながら俺は二階にある自室に向かった
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