記憶が無くなる熊さん

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「キィィー!」 扉も木で出来ているせいで階段と同じく、 とんでもない音がする 耳に響く……俺は顔をしかめながら扉を開けた 「・・・・・」 中に入ると本当に物置になっていた 幾つもの段ボール箱が積み重なり、やっと大人一人が立てるスペースがあるかないか……。 元々狭い部屋だったのにもっと狭くなっていた 「容赦ねぇな……母ちゃん!」 苦笑いしか出なかったが、取り敢えず段ボール箱を移動させたり、更に積み重ねたりして 試行錯誤の上やっと座れるようになった 「フンッ!…はぁ」 足は流石に伸ばせないが、あぐらはかけるようになったので、まぁ…良しとしよう しばらく携帯で上司や友人等と連絡していたがそれを終えるとやることが無くなった 自宅からゲーム機でも持ってくれば良かったかな? 「・・・・そういえば!」 段ボール箱に色々入ってるって言ってたな 卒業アルバムとか見返したら時間も潰せるだろ 俺は一心不乱に段ボールを開けまくった テープが大量にゴミとして出たが、 捨てに行くのは面倒なんで、その辺の壁に引っ付けといた 怒られっかな? 「う~ん……」 しばらく壁と見つめあっていたが、 答えは案外あっさり出た  「」 子供の頃から言い続けてきた台詞第一位!! 「後で良いや」 この言葉にどれだけ助けられただろうか? 後でやると保険をかける事によって、今の自分がサボる事を簡単に正当化出来てしまう魔法の言葉!! 自分にそう言い聞かせ、俺はまた段ボールを漁った
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