記憶が無くなる熊さん

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俺がクッマと出会ったのは六歳ぐらいだったか? まだ幼稚園に通っていた俺はあまり周りと打ち解けられなかった どんな風に話していいか分からず、 いっつも室内に居たな……。 そんなある日 その日は俺の誕生日だったんだ プレゼントは正直欲しい物なんて無かったけど両親は意外な物を俺に手渡した 「ママ……なに?」 「何って熊のお人形さんよ!」 「いやそんなの見たら分かるよ! 俺が言いたいのは何で人形なの!?」 「あら?気に入らない?」 「当たり前だよ! 人形なんて……女の子が使うもんだよ! 俺みたいな男はそんなおままごとしないね」 「分かった、分かった」 「来年はもっとマシな奴でお願いね」 「はい…はい。 ていうか、ケーキあるけど食べる?」 「マジで!?食べる、食べる!」 最初は熊の人形なんて気に入らなかった そうその時の俺は人形だと思っていたから……
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