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第一話 呪われた鐘
第一幕
三年前に別れた彼女から手紙が届いた。
手紙の便箋にはただ一言、「助けて」とのみ書かれていた。
春が終わりを告げ、夏が再びやって来る頃。俺は船のデッキの上で瀬戸内海の海を眺めていた。
輝かしい太陽に照らされた湖のように穏やかな海には、無数の島々が散らばっており、その間を多くの船影が行き来している。
それはまるで宝石のようであった。
紅色に空高く燃える太陽。雄大に青く光り輝く海原。白い砂に深い緑が生い茂る島々。それらは互いに混ざり合い、溶け合い、響きあって、この地上に一つの天国を描いていた。それは見る人の心を至上の喜びへと誘うものであった。
また、あの美しい海に浮かぶ島の一つ一つにもちゃんと意味がある。それら島々には、歴史があり、伝説があり、そして太古の昔から伝わる神話があるのだ。だがその多くは既に人々によって忘れ去られてしまったが、しかし生き残ったものの中には今でも、この宇宙の秘められた記憶を密かに我々に語っている。
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