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私は中田蘭子。
今日は高校の入学式です・・・。
緊張してきた・・・。
「蘭子そろそろ行かないと入学式遅刻しちゃうわよ!お母さんは後で行くから先に行ってて」
「うんわかった。じゃあ行ってきます!」
そしてお母さんと別れ急いで高校に向かった・・・。
はあっはあっ・・・高校見えてきた。
間に合って本当によかったぁ・・・。
学園内の桜並木道を歩いていると、立ったままじっと桜の木を見つめる人影を見つけた。
すっごく背が高くて綺麗な男の人でスーツがとても良く似合ってる・・・。
パーフェクトな男の人って、彼みたいな人の事を言うんじゃないかな?
そして、彼をじっと見つめていて気づいた。
え?なんで泣いてるの?
彼は桜の木を見上げながら儚げに泣いていた・・・。
なぜそんなに悲しい顔で泣いてるの?
なにか辛いことでもあったの?
泣いている彼を見ていると私まで悲しくなってきて、つい泣いてしまった・・・。
完全にもらい泣きしました・・・はい・・・。
すると彼が私に気づいた・・・。
そして涙を手で拭い私に問いかけてきた。
「新入生か?ってなんで泣いてんの?」
「あなたが悲しい顔で泣いてたから、もらい泣きしただけです・・・」
「ああ、ごめん俺のせいか。で、何組の生徒?名前は?」
彼はもしかして、この学校の先生なのかな?
「クラス表まだ見てないです。あっ私、中田蘭子です」
「中田蘭子・・・。ああ俺の3組の生徒だ。改めて自己紹介するな!俺は西畑咲夜。これからよろしくな中田」と先生は綺麗な笑顔で言った。
ドキッ・・・。
先生そんな綺麗な笑顔で言われると、めっちゃ心臓に悪いんですけど・・・。
「中田蘭子です。先生、私こそよろしくお願いします」
これが私と先生の出会いだった・・・。
高校の入学式の日に桜の木の下で先生に出会った・・・。
そして私は先生に淡く切ない初恋をしました・・・。
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