たまには占いを信じてみよう

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「あたし、学校に全部置き勉してるし。ノートも置きっぱ」 この女…… 学校に何しにきてるんだ? もしかして友達と会うためだけに学校に来ているのではないだろうか。少年の苦笑いは続く。 「ははは……」 「一回スマホ濡らしたことあんのね! 音楽鳴らしたらスピーカーから水が鯨の潮吹きみたいに出るの! マジ受けるんですけど! はははは!」 「で…… スマホは無事だったの?」 「そんでドライヤーで乾かしたんだけど、ご臨終! 二年縛りも途中だったし、一年と三日目ぐらいのことだったから保証期間もキレてんの! ヤバくね? スマホ保険もケチってたから、修理費メッチャ高いの! 酷くない? だから今回はスマホが濡れなくてラッキー! 占い当たってるわ!」 「うん…… 酷いね」 少年は「アンタの方が酷いよ」と思いつつ、夕立の前と後での少女の口調の違いに困惑するのであった。正直、こいつとは合いそうにない。夕立も終わり虹が浮かぶ夕方の中、帰宅の途に就くことにした。 「じゃ、俺帰るわ。タオルは…… 別に返さなくていいよ。そのままポイ捨てしちゃって」 正直、もうこいつとは関わりたくないとしての投げやりな言葉であった。しかし、少女は驚いた顔を見せながら言う。 「ええーっ! 洗って返すよ」 「いや、ホントにいいから。(うち)、タオルは腐る程あるし」 「いやいやいや、ホント悪いから。メッチャ洗って返す! お礼もするから! じゃあね!また明日!」 翌日、学校で少女からタオルが返却された。大量の柔軟剤を使って洗濯でもしたのか、前よりもふかふかとし、フローラルな香りのするタオルに生まれ変わったように感じられた。 「別にここまでしなくてよかったのに」 「ちょっと今日帰り付き合ってよ、何か奢らせてよ。昨日のお礼したいんだけど」
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