第三話:・・できる・・のかな・・

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そんなビワは、 「あのっ! 嶋田先生! 私たち、昨晩なんですけど、ネットでふたりして練習してたんです。 ほんっと~に失礼なのかもしれませんが、聴いてもらって良いですか?」 ・・ビワはいったい何を言っているのだろう? と思っていたんだけど、そんな私をよそに、昨日スマホで撮影してそれをプリントアウトした楽譜を鞄から取り出して、フルートを構えた。 「カナコ! やろう!」 そう言ってくれたことで、それがなんなのか解った。 よし! 女は度胸! 嶋田先生に聴いてもらおう! そして、ふたりで奏で始めたのは、昨日に嶋田先生が演奏してくれたモンティのチャルダッシュだった。 うーん・・ やっぱり、昨日で今日の付け焼き刃だ。 かなりぎこちない。 それに、昨日の嶋田先生の演奏よりもかなりスローだ。 でも、それでも演奏しきってみせる! 曲の『踊り』の部分では、音の連なりがかなりいびつになったけど、それでもやりきる! ここで諦めてしまえるくらいなら、私たちがそんなにヘタレなら、復活なんて出来っこない。 出来るわけがない。 私たちはやると決めたんだ! だから!!
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