🦋翌日(土ノ日)🦋

4/4
前へ
/50ページ
次へ
階段を下り、1階の御手洗(みたらい)前を通って 高級なお座敷に案内され、中に入ると 遣り手のばあさんの嬉しそうな声が聞こえてきた 遣り手のばあさん 「おお!こんなに 高く買ってくれるんですか!たはあ~っ! これだけいただければ この遊郭も安泰です、ぬふふふ…!」 遣り手のばあさんの横を通り 伯爵の隣に正座する。 黒薔薇王子 ヴェレッド伯爵 「ならば、交渉成立だな…」 伯爵の腕が俺の肩に回された…// 遣り手のばあさん 「むふふ…雪夜… これで、お前さんは自由だ♪ 着物どうする?持って帰るかい?」 俺は伯爵に視線を向ける。 黒薔薇王子 ヴェレッド伯爵 「彼が上に着てるシロアゲハの 振り袖は売ってもらって構わん 欲しい男はたくさんいるだろうしな… かんざしも、売って構わないな?ゆきよ。」 まあ、遊郭にいた頃のことは忘れたいし ぜんぶここに置いていこう、このキセルもな。 俺 白揚羽 雪夜(しろあげは ゆきよ) 「はい、かまいません… 俺はこの下に着てる碧い着物 1着あればじゅうぶんです。」 伯爵は頷いて、頭を優しく撫でてくれた…// 遣り手のばあさん 「はいよ、じゃ…いま脱いでおくれ。」 俺は頷いて、帯とそこに はさんでいたかんざしを外して シロアゲハの振り袖だけ脱ぎ… 帯を締め直してから振り袖を 綺麗にたたみ、キセルも たたんだ振り袖も遣り手のばあさんに渡した。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加