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階段を下り、1階の御手洗前を通って
高級なお座敷に案内され、中に入ると
遣り手のばあさんの嬉しそうな声が聞こえてきた
遣り手のばあさん
「おお!こんなに
高く買ってくれるんですか!たはあ~っ!
これだけいただければ
この遊郭も安泰です、ぬふふふ…!」
遣り手のばあさんの横を通り
伯爵の隣に正座する。
黒薔薇王子
ヴェレッド伯爵
「ならば、交渉成立だな…」
伯爵の腕が俺の肩に回された…//
遣り手のばあさん
「むふふ…雪夜…
これで、お前さんは自由だ♪
着物どうする?持って帰るかい?」
俺は伯爵に視線を向ける。
黒薔薇王子
ヴェレッド伯爵
「彼が上に着てるシロアゲハの
振り袖は売ってもらって構わん
欲しい男はたくさんいるだろうしな…
かんざしも、売って構わないな?ゆきよ。」
まあ、遊郭にいた頃のことは忘れたいし
ぜんぶここに置いていこう、このキセルもな。
俺
白揚羽 雪夜
「はい、かまいません…
俺はこの下に着てる碧い着物
1着あればじゅうぶんです。」
伯爵は頷いて、頭を優しく撫でてくれた…//
遣り手のばあさん
「はいよ、じゃ…いま脱いでおくれ。」
俺は頷いて、帯とそこに
はさんでいたかんざしを外して
シロアゲハの振り袖だけ脱ぎ…
帯を締め直してから振り袖を
綺麗にたたみ、キセルも
たたんだ振り袖も遣り手のばあさんに渡した。
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