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遣り手のばあさん
「彼なら大丈夫だと思うけど
もう、こっちに
戻ってくるんじゃないよ?」
俺は頷いて、遣り手のばあさんに
正座して頭を下げた。
俺
白揚羽 雪夜
「いままでありがとう
お世話になりました。」
俺が顔を上げると
遣り手のばあさんはニコニコしていた。
禿
「花魁…ううん、白揚羽さま…
貴方みたいな立派な
花魁になれるよう頑張ります!」
俺は少女達に微笑みかけて
その頭を優しく撫でた。
黒薔薇王子
ヴェレッド伯爵
「行こう、白揚羽…
船の時間に間に合わなくなる。」
俺は頷いて、伯爵と一緒に
高級なお座敷を出て
廊下の、のれんをくぐる。
遊女達
「あんたが、いなくなってくれて
せいせいしたよ!」
「もう、顔出さないでちょ~だい!」
「ばいば~い★」
部屋から遊女達が顔を出して引っ込んだ。
俺もここから出れてせいせいしたよ!
口には出さなかったが、心のなかで叫んだ。
出入り口の、のれんをくぐったところで
伯爵の腕が俺の肩に回されて…
俺は伯爵に視線を向ける。
ここからどんな所に行くのだろうか…
不安でもあるが楽しみでもある。
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