🦋解放された白き蝶(土ノ日)🦋

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外に出ると、新鮮な空気が体に染みこんで 俺は肺っぱいに深呼吸してから 港の船着き場へ伯爵に手を繋がれながら向かう。 黒薔薇王子 ヴェレッド伯爵 「西洋に行くのは初めてか?」 俺は頷いた。 俺 白揚羽 雪夜(しろあげは ゆきよ) 「はい、初めてです!」 伯爵は小さく笑みを浮かべる… 黒薔薇王子 ヴェレッド伯爵 「そうか!それは良かった… きっと、気に入る。」 船着き場について俺達は 停泊していた大きな船に乗り込んだ! 出発を知らせる汽笛の音が港に鳴り響く… この音は遊郭の中から時折聞いていたが まさか…乗れる日が来るとは思わなかった。 俺は船の後方、手すりにつかまる… 俺 白揚羽 雪夜(しろあげは ゆきよ) 「遊郭が…港が遠ざかっていく。」 俺の背後にいた伯爵は俺の隣に並び 遠ざかっていく港町を一緒に眺めた。 黒薔薇王子 ヴェレッド伯爵 「ようやくこれで… 私は孤独から解放されるんだ。」 伯爵の腕が俺の肩に回され 俺は伯爵の胸部付近に頭をもたれる。 俺 白揚羽 雪夜(しろあげは ゆきよ) 「使用人とか、いないんですか…?」 伯爵は俺の頭にその黒髪をもたれてきて 俺は目を細めていた…// 黒薔薇王子 ヴェレッド伯爵 「いない…だから屋敷で、私はいつも一人だ… 毎日、書斎で仕事して紅茶を飲み 暇な日は1日プールで泳いで読書して… ほんと、味気ない1日さ。」 なるほど… 俺 白揚羽 雪夜(しろあげは ゆきよ) 「俺に色々、教えてください 貴方のお役に立ちたいから…」 港町がすっかり見えなくなって 潮風に頬を撫でられた。
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