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俺
白揚羽 雪夜
「ここは広い厨房ですね…
良くわからないものまで、色々そろってる。」
俺は厨房を見回す。
黒薔薇王子
ヴェレッド伯爵
「ああ、ここは確かに厨房だが
ダイニングキッチンと言うんだ。」
だいにんぐきっちん…
なるほど、今はそのように呼ぶのか。
俺
白揚羽 雪夜
「俺がいた国はここまで
発展してなかった…」
伯爵は頷く…
黒薔薇王子
ヴェレッド伯爵
「ああ、君がいた国は
発展途上国だからな…
開国すればより良い文化に
触れられると思うんだが
異人は嫌われもののようだから
なかなか、難しいところだな。」
伯爵は棚の中から、硝子のなにかを取り出した
いわゆるヤカンのような形だ…
俺
白揚羽 雪夜
「やかん…?」
伯爵は小さく笑ってる。
黒薔薇王子
ヴェレッド伯爵
「いいや、これはティーポットだ。
ここに紅茶の茶葉を入れて
お湯を入れるんだよ…」
伯爵は不思議な形の機械から
熱湯を直接その"てぃーぽっと"に注いでいく。
俺
白揚羽 雪夜
「いい香りがする…」
俺は目を閉じて漂う紅茶の香りを
控えめに、かいでいた…
黒薔薇王子
ヴェレッド伯爵
「そうだろう、クフフ…美味しいぞ。」
目を開けて中身を見ると色が
こがね色になっていた…!
俺
白揚羽 雪夜
「色が変わってきましたね…!」
伯爵は頷いて微笑む。
黒薔薇王子
ヴェレッド伯爵
「ああ、これも楽しみのひとつだと思う。」
俺は硝子の中身の綺麗な紅茶を見つめる。
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