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そこで、名残惜しそうに手を離されて…
俺は伯爵に振り向く。
黒薔薇王子
ヴェレッド伯爵
「入ってごらん、大丈夫…怖くないぞ。
申し訳ないが狭くてな
2人一緒には入れないんだ…」
俺は頷いて、温室に入ってみた…
中は確かに狭いが奥まで続いていて
人を惑わすような濃厚な香りに包まれる。
俺
白揚羽 雪夜
「はあ…なんて、いい香りだろう…
しかも…どの黒薔薇も
艶やかで、生き生きしてる!」
俺はじっくりと黒薔薇を
見て楽しんでから温室をでた。
黒薔薇王子
ヴェレッド伯爵
「やあ、どうだった?」
俺は頷く!
俺
白揚羽 雪夜
「とても、美しかったです!
あんなに美しい黒薔薇を
見たのは初めてで…感激しました。」
俺の言葉に満足したように笑う伯爵
俺もなんだか嬉しくなった。
黒薔薇王子
ヴェレッド伯爵
「よし、次は屋敷の
2階を案内しよう、おいで…雪夜」
俺は頷いて、伯爵とまた手を繋ぎ
一緒に屋敷内に戻って階段を登っていく。
2階についた…
俺
白揚羽 雪夜
「戸がたくさんありますね。」
伯爵は頷き、戸を見回す。
黒薔薇王子
ヴェレッド伯爵
「ああ、ここは使用人の
部屋として作ったんだが…
結局、使用人は雇わずじまい
現在までどこも空き部屋だ。」
なるほど…
俺
白揚羽 雪夜
「それなら、俺…寝泊まりは
この部屋のどこでも良いです!」
小さなわがままを言ってみた。
黒薔薇王子
ヴェレッド伯爵
「いいや、クフフ…
君の部屋は3階にある。」
俺は伯爵に視線を向けながら
何度かまばたきする…
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