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沢田くんとみんなの願い
「陸くん、もうやめよう【お腹すいた。バーベーキュー食べたい(・Д・)】」
「そうだ! こんな争い、意味ねえぞ!【腹へった。早くメーシメシ!!(・Д・)】
沢田くんと小野田くんは平和を愛するフリをしているけど、頭の中はお昼ご飯のことでいっぱいだ。
「こんなことをして何になるって言うんだ!【お腹すいたよーーっ。゚(゚´Д`゚)゚。】
「負けを認めろ、茶髪の沢田!【俺に飯を食わせろゴ━━━━(# ゚Д゚)━━━━ルァ!!】」
「陸くん、叔父さんが泣いてるよ!【俺も泣くよ! ぐーきゅるるるる。゚(゚´Д`゚)゚。】」
「悪いことは言わねえ、自首するなら今だぞ!!【喉も渇いたなあ。゚(゚´Д`゚)゚。】」
もはや二人とも、食べたいだけだね。
「分かったよ。しょうがねえな」
意外にも陸くんはあっさりとそう言って、私たちを別荘に招き入れてくれた。
「昼飯はメイドに作らせてある。まずは風呂に入ってこい。汚ねえ奴に食わせてやる飯はねえからな」
陸くんはバズーカー砲を再び肩に担いで、私たちに背を向けた。
【陸くん、分かってくれたのか……】
ホッとしている沢田くんに、私はドキドキしながら声をかけた。
「良かったね、沢田くん」
「うん……【………………はっ∑(゚Д゚) お、俺、さ、さ、佐藤さんに……また抱きついてしまっている⁉︎ い、いかん鼻血が((((꒪ཀ꒪))))ブーッ】」
「沢田くんっ⁉︎」
沢田くんは失神しかけたけど、ギリギリのところで意識を持ち直した。
「ご、ごめん……【ご、ご、べ、ん゛、な゛、ざ、い゛_:(´ཀ`」 ∠):】」
「ううん」
解放されて振り向くと、フラフラしている沢田くんの額から忍者に投石でやられた時の血が吹き出している。
さっきのペンキ缶直撃の影響もあるのかな。
「おでこ、大丈夫?」
「う、うん【ほわあああ〜〜:;(∩´﹏`∩);:佐藤さん優しいっ! 天使!】佐藤さんこそ、膝の怪我は……?」
「すっかり忘れてた。大丈夫みたい」
「良かった……」
見つめ合っていると照れちゃう。
お互いに目を逸らしてソワソワ。
すると、びしょ濡れの小野田くんがそんな私たちの肩を掴んだ。
「おい、しゃべってねーでとっとと行こうぜ!【ヽ(*^ω^*)ノメーシメシ!】」
【ひいいいっ!! カメの匂いがするっ!!((((;゚Д゚)))))))】
カメの匂いかどうかは知らんけど、小野田くんはとりあえず空気読んでください。
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