after story

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彼の腕にぎゅっと抱き締められて、私達は本当の約束を果たした。 すると、どこからともなく声が聞こえた。 【ありがとう……弦、結衣……】 「えっ、今、声が!」 彼と声を揃えて見つめ合う。 「きっと、譲とゆいだ」 「うん、そうだね」 金木犀の木を見つめて2人の事を想った。 「帰ろう。俺達の家に」 「うんっ」 それから1週間後、弦の携帯に匠君から電話がかかって来た。 お祖父さんから電話があり、池を管理しているお爺さん達と金木犀の木を見に行くと、花は全て地面に落ち、葉は枯れ、木は立ったまま枯れてしまっていたという。 160年以上も花を咲かせ、寿命が来たのだろうとお祖父さんは言ったらしいが、1週間前はあんなに綺麗に花を咲かせていたのに。 本当に私達を待っていたかのように、金木犀の木は立っていたんだと思うと涙が溢れた。 私達が1週間前に行った事を話し結婚の報告をすると、匠君は「おめでとう」と言ってくれた。 匠君に結婚式の招待状を送る事を話し、お祖父さん達も招待したいと話すと「きっと喜ぶよ」と言って住所を教えてくれた。 翌年4月1日。 澄み切った青空の下、私達は教会で結婚式を挙げた。 END
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