幸せな夢

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夕食を食べゆっくりとお風呂に浸かり、リラックスして布団に入る。 (いい夢が見れますように……) ***** 「はぁ、はぁ、はぁ…」 広い屋敷の廊下を走って、庭に向かっていた。 庭に2人の姿が見え、縁側で立ち止まり私は2人に言う。 「(あに)様! 兄様! (わたくし)もつれて行って下さいまし」 「ダメだ。お前は母上と屋敷にいるんだ」 大きな草履(ぞうり)を履き庭に下りて、兄にしがみついて駄々をこねる。 「いやいや、つれて行ってぇ」 すると兄は顔を上げ言った。 「父上、ゆいもつれて行ってよろしいですか?」 父が私の頭を撫で、微笑んで言う。 「では、ゆいも用意をしておいで。一緒に行こう」 「わぁーい! (かあ)様、ゆいも行っていいって」 母の元に走って行き、軽装に着替え2人に挟まれ手を繋ぎ一緒に出掛けた。 汽車に乗り、着いた場所は見知らぬ駅で、私は2人につれられ歩いている。 だが駅からだいぶん歩き、疲れてしまい途中から兄の背におぶってもらう。 そうして着いた場所は、大きな綺麗な池だった。 兄は私を下ろし、父と一緒に釣りの準備をしている。 私は近くで2人の様子を静かに見ていた。 父と兄が並んで座り、針の先に餌をつけて、池に竿を出す。 ほどなく、父の竿に反応があった。 目印のウキがピクピクと動き、グイッと下に沈むと、父は竿を上に素早く上げそのまま引き上げる。 すると、バシャバシャと魚が針にかかり暴れていた。 糸を手繰(たぐ)り寄せ、陸に魚を上げると元気よく跳ねる。 「うわぁ! すごーい! おっきいね!」 そう言って父と兄に笑いかけると、2人も笑っていた。 *****
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