幸せな夢

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先輩が鞄を取り中から手帳を出して、ローテーブルに広げる。 「そのモノクロの夢の話、手帳にメモしておこう。もしかしたら、まだまだその続きを見るかも知れない。もう少し分かれば、一度その池を見に行ってみようか…」 私が話した事を先輩は手帳に書き、話を続ける。 「あ、そういえば……夢の中でも、森下はなんだな」 「あぁ、はい。漢字も同じかは分かりませんが、確かに父も兄も私をって呼んでいました」 「じゃ、君も生まれ変わってたら、かもな」 「あ、そうなるんですね…」 「うわぁっ、見つけるの大変そうだな……って現代でも結構いるぞ…」 「はい……。でも、私と同じ夢を見ていたら、に来るって事ですよね」 「うん、まぁな……」 「じゃ、その場所をつきとめないといけないですね」 「……本当は……会わせたくないけど……」 「えっ…?」 先輩が小声で言った言葉の意味を、私は分かっていなかった。 「あ、いや……何でもない…」 「ん…? 先輩?」 「あ、森下、食べ終わったら、体温もう1回測って」 先輩が立ち上がり寝室に行き、体温計を持って来て私に差し出す。 体温計を受け取り、首元から差し込み腋に挟んだ。 私が体温を測っている間に、先輩がトレーを流し台に持って行き、土鍋やスープ皿を洗って片づけてくれた。 「先輩、ありがとうございます」 「ふっ、いいよ。いつも、俺が助けてもらってるからな」 ピピピッ、ピピピッ 手を差し入れ体温計を取り出し確認すると、37度3分。 向かい側に座っている先輩に、体温計を見せる。 「おっ、熱下がったな。まだ少しあるけど、大丈夫そうだな」
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