幸せな夢

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先輩の事は好きだ。 だけど、夢で見たたくみと約束の場所で会う事になった時、もし本当にこの世界で再会した時、私はどうすればいいのか分からない。 先輩を選ぶのか、たくみを選ぶのか…… 「もしかして、たくみ君の事を気にしてる?」 先輩には何でもお見通しだ。 嘘はつけない。 「はい…」 「そうだよな。生まれ変わってもまた再会する為に、夢として前世の記憶を見せている訳だしな…」 先輩はソファーからラグマットに下り、私の頬を両手で包み持ち上げ、目を見つめて続けた。 「結衣、俺を好きになれ! お前を誰にも譲る気はない!」 強くキッパリと言った後、私の唇に唇を重ねた。 何度もキスをして、吐息交じりに先輩が言う。 「結衣好きだ……ずっと好きだった…結衣……」 上から先輩のキスが降って来る。 胸が苦しくなるほど、切なく「好きだ」と私の中に刻みつけるように。 「先輩……好きになってもいいの……?」 頬を涙が伝う。 「あぁ、俺を好きになれ、結衣」 「先輩……」 「弦……ゆづるだ…」 「ゆづる……」 「結衣…」 もう一度キスをして、深く長いキスをした。
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