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「ダメだ! 危険だよ。今日、俺が話を訊いてなかったら、1人で行くつもりだったのか?」
「うん……一度行った事があるし、ネットで調べて今の周辺の様子を見てたんだけど…」
「ダメだよ。行くなら、俺も一緒に行く」
「ううん…」
「なんで! 1人じゃ絶対行かせない!」
「ううん。違うの…」
「ん…? 違う?」
彼をジッと見つめて、言った。
「行かない…」
「えっ…」
「今日、弦と話をするまでは、今週末に行こうと思ってたの。でも、もう行かない……夢の事も、もういい……」
「もういいって……約束は…?」
首を横に振る。
「たくみ君との約束を果たさないつもり? 彼と会わないつもり?」
「うん…」
「今日、俺と話をしてって事は……俺が告白して付き合う事にしたから?」
「……弦と付き合うのに、他の人と会うなんて必要ないよ」
「結衣……でも、それじゃ、ずっと夢を見るんじゃないか?」
「そうかも知れない。でも、夢のままにしていればいいよ…」
「いや、そうだけど……」
「ダメかな……」
彼が私を抱き寄せて、ぎゅっと抱き締める。
「俺は嬉しいよ。結衣が俺の事を考えて、俺だけを見ようとしてくれてるって分かったから」
「うん……弦だけ見てる…」
「でも、俺が一番心配なのは、その夢のせいで結衣が熱を出したり、怖い夢を見たりする事なんだ」
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