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「そんなの、平気だよ……閻魔大王には何度も会ってるし…怖い夢だって何度も」
「俺がいない時に、あんなふうに苦しんでるって……そんな事…させられるかよ…そのまま、逝っちまったらどうすんだよ……」
彼の腕がきつく締まる。
「結衣、たくみ君との約束は果たそう。大丈夫、俺、絶対負けねぇから」
「弦…」
「この世界で再会したからって、すぐに好きになられてたまるか。この世界では俺が彼氏なんだ!」
「ふっ、ふふっ、ふふふっ」
「なーに笑ってんだよ! こっちは必死なんだからな! 俺には見えない相手がライバルって……どんなんだよ! たくっ…」
「ふふっ、弦……ごめん、嬉しい」
涙目でそう言って彼を見つめると、彼は私の額にキスをして2人で笑った。
そうして、週末に2人で池に行ってみる事にした。
「じゃ、俺もグッズ集めとこ。他にも必要そうな物は俺が用意しとくよ」
「うんっ、ありがとう」
「ふふっ、デートだな」
「えっ…」
「デートだろ!」
「うんっ」
「俺も1回、池の周辺見せて。キャンプ出来そうなら、テント張って楽しもう」
「うん、ちょっと待って。ノートパソコン出すね」
ローテーブルにノートパソコンを置き起動させて、池を検索し画像を彼に見せる。
彼が池を見ている間に、コーヒーをもう一度淹れてカップを持ち、ローテーブルに置いた。
「あ、ありがとう」
2人でコーヒーを飲みながら、池の周辺を見て週末の話をした。
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