424人が本棚に入れています
本棚に追加
目を覚ますと、胸を締めつけられぎゅっと痛んだ。
昨日、弦とあんな事したから、たくみとキスしてる夢を見たんだ。
たくみが大きく逞しく成長して17、18歳くらいかな?
この世界だと高校生くらいになっていた。
抱き締められた時、私がスッポリと彼の胸の中に包まれていた。
ベッドから出て歯を磨き顔を洗って、化粧をし仕事に行く準備をする。
家を出て、電車に乗り会社へ向かっている時も、ずっと夢の事を考えていた。
雨の中、私はたくみとはぐれてしまい迷っていたみたいで、彼は体も唇も冷えてしまうほど、ずっと探してくれていた。
たくみは私を好きだと言っていた。
そして、私もたくみを好きなんだ。
2人は恋人だったんだ。
やっぱりこの世界の約束の場所で、たくみと会わないとダメだ。
会って今は弦の事が好きで、私の恋人なんだって伝えないといけない。
そうじゃなきゃ、この夢は終わらない。
オフィスのデスクに座り、パソコンを起動させる。
「おはよう」
横で声がして顔を上げると、弦がデスクに鞄を置き立っていた。
「お、おはよ…」
昨日の事もあり、オフィスで会うと急に恥ずかしくなってうつむく。
最初のコメントを投稿しよう!