切ない夢

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目を覚ますと、胸を締めつけられぎゅっと痛んだ。 昨日、弦とあんな事したから、たくみとキスしてる夢を見たんだ。 たくみが大きく逞しく成長して17、18歳くらいかな? この世界だと高校生くらいになっていた。 抱き締められた時、私がスッポリと彼の胸の中に包まれていた。 ベッドから出て歯を磨き顔を洗って、化粧をし仕事に行く準備をする。 家を出て、電車に乗り会社へ向かっている時も、ずっと夢の事を考えていた。 雨の中、私はたくみとはぐれてしまい迷っていたみたいで、彼は体も唇も冷えてしまうほど、ずっと探してくれていた。 たくみは私を好きだと言っていた。 そして、私もたくみを好きなんだ。 2人は恋人だったんだ。 やっぱりこの世界の約束の場所で、たくみと会わないとダメだ。 会って今は弦の事が好きで、私の恋人なんだって伝えないといけない。 そうじゃなきゃ、この夢は終わらない。 オフィスのデスクに座り、パソコンを起動させる。 「おはよう」 横で声がして顔を上げると、弦がデスクに鞄を置き立っていた。 「お、おはよ…」 昨日の事もあり、オフィスで会うと急に恥ずかしくなってうつむく。
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