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真っ暗の中、軋む板の上を慌ただしく走り回る人達の足音。
私は声を潜めジッと目を見張り、様子を窺っていた。
野太い男達の声がして、ドタドタと行き交っている。
次の瞬間!
シャアァァー! ! バタンッ!
2枚の襖が真ん中から割れるように勢いよく開かれた。
目の前に現れたのは着物姿で、腰に刀の鞘を差し手には刀が握られていた。
視線を上げ、男と目が合った瞬間。
「はぁ、はぁ……ふっ、見つけた…」
ニヤリと笑い刀を両手で素早く握り、私の頭の上から一気に振り下ろした。
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