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プロローグ
「あなたは重症です。適応障害ですね。」
医師にそう告げられた。
私は最初なんと言っているのか、この医師が私になんと言ったのか。言葉の意味が理解できなかった。
「どうかな、一ヶ月は仕事休めないかな?」
理解が追いついていない私に医師は提案する。
「わ、わかりました。上司と相談します。」
そう答えざるを得なかった。
というより、答えがこれしか浮かばなかったのだ。
帰り道、私は前を見て歩けない。
上を向いて歩けない。
都会の道。いつもならば窓の大きさやデザイン、形や収まり方を見ているはず。
だが、見るのが怖くなってしまった。
なぜこうなってしまったのだろう。
なぜ私が適応障害になってしまったのだろう。
これは私が適応障害になるまでの過程を綴った物語だ。
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